介護事業を立ち上げる際には、人材確保や設備準備、事務所の開設など多くの費用が必要になります。どの機関から資金を調達できるのか、また開業にはどの程度の費用が必要なのかを理解しておくことが大切です。今回は、介護事業の開業で利用できる融資制度や資金調達の流れ、審査にとおるためのポイントを解説します。
介護事業の開業で必要になる資金とおもな資金調達先
介護事業を始める際には、開業資金の準備が重要になります。事業所の設立にはさまざまな費用がかかるため、事前に必要な資金の目安や調達先を理解しておくことが大切です。介護事業の開業資金の目安
介護事業を始める場合、サービスの種類によって必要な資金は大きく変わります。訪問介護のように比較的設備が少ない事業でも、事務所の準備費用や備品の購入費、採用費用などが必要になります。さらに事業を安定して運営するためには、開業後しばらくの運転資金も確保しておく必要があります。介護事業では介護報酬の入金まで一定の期間があるため、売上が入る前の支出をカバーできる資金が求められます。施設系のサービスの場合は建物の確保や改修なども必要になることがあり、より多くの資金が必要になるケースもあります。
利用されることが多い融資先
介護事業の開業では、公的機関や金融機関から資金を借りる方法があります。代表的な融資先として、日本政策金融公庫や地方銀行、信用金庫などが挙げられます。日本政策金融公庫は創業者向けの融資制度が充実しており、開業時の資金調達として利用されることが多い機関です。民間の金融機関では、信用保証協会の保証制度を活用した融資などがあり、事業計画や資金計画に応じて相談することが可能です。どの融資を選ぶ場合でも、事業計画をしっかり準備しておくことが重要です。
介護事業の立ち上げに活用できるおもな創業融資制度
介護事業を開業する際には、創業者を対象にした融資制度を利用できる場合があります。公的制度を活用することで、開業時の資金負担を抑えながら事業をスタートさせることができます。日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫では、新しく事業を始める人を対象とした融資制度が用意されています。創業時に利用されることが多い制度で、設備資金や運転資金の調達に利用することができます。事業計画書の提出や面談などが必要になりますが、創業者向けに設計された制度のため、初めて事業を行う人でも相談しやすい点が特徴です。介護事業の場合も、事業の内容や資金計画を明確にすることで利用を検討することができます。信用保証協会を利用した融資
民間金融機関から資金を借りる場合、信用保証協会の保証制度を利用するケースがあります。信用保証協会が保証人の役割を担う仕組みで、創業者でも融資を受けやすくなる場合があります。金融機関と保証協会の審査が必要になるため、事業の内容や資金計画をしっかり整理しておくことが大切です。介護事業は社会的なニーズが高い分野であるため、事業の見とおしを具体的に説明できると融資の相談もしやすくなります。融資を受けるためのポイントと資金繰りの考え方
融資を受けるためには、事業計画や資金計画をしっかり準備することが大切です。金融機関は事業の将来性や返済の見とおしを確認するため、準備不足の状態では審査が難しくなる場合があります。事業計画と資金計画を明確にする
融資を申し込む際には、どのようなサービスを提供するのか、どのように利用者を増やしていくのかを具体的に説明できるようにしておくことが重要です。事業計画書には、開業の目的やサービス内容、収支の見込みなどを整理して記載します。また、開業後の資金の流れを把握しておくことも大切です。どのタイミングで支出が発生するのか、売上が入るまでどのくらいの期間があるのかを理解しておくことで、資金不足のリスクを減らすことができます。
資金繰りを安定させる方法
介護事業では、サービスを提供してから介護報酬が支払われるまで一定の期間があります。そのため、開業直後は資金繰りが不安定になることもあります。こうした場合には、融資以外の資金調達方法を検討することも重要です。たとえば、介護報酬ファクタリングという仕組みを利用すると、介護報酬の入金を待たずに資金を確保することができます。金融機関からの借入とは異なり、報酬の前払いという形で資金を受け取る方法であるため、負債として扱われない資金調達の方法として検討されることがあります。